インソーレオイルとの出会い

インソーレオイルとの出会い

これまでのおはなし VOL.1VOL.2

オーガニック化粧品への関心と市場の広がりを感じて

中学時代と大学生活を過ごしたドイツ、そしてドイツ語を生活の為に活用(!)していた私がなぜイタリアの農園からオイルを輸入することになったのか? その理由を語るためには、インソーレを起業した2006年にまで遡らなければなりません。

2006年5月、5年間勤務した化粧品輸入の会社を一身上の理由で辞職。その年のお正月あたりからギックリ腰で起き上がることが困難な状況がひと月ほど続き体調を崩したのが第一の要因でした。

第二に、当時その会社で扱っていたオーガニックの化粧品を通して、その頃ヨーロッパでも広がりつつあった従来の化粧品からオーガニック化粧品への関心の高まりと市場の広がりに対して自分なりの理解と、それをもっと多くの人に伝える必要性を感じていました。
「会社にいたのではそれはできない、私には別のアプローチの方法があるはずだ! とにかく行動しなければ」という思いに駆られました。無謀なことにその思いが起業という形につながるのですが。

湿気の少ないヨーロッパならではのオイル美容

2006年8月のことでした。

日本へオーガニックの化粧品を伝えるためにはツールとなる商品が必要です。困り果てて相談を持ちかけた知り合いのドイツ人女性社長には、私の無謀な挑戦をあきらめるよう説得される始末。それでも引き下がらず半泣きで相談する私。

彼女は「まだ日本に紹介されていない良いオイルがあるので、これを売ってみなさい」と、旧知のイタリアのガーデンで丹精込めて伝統的な製法で作られたオイルを紹介してくれました。湿気の少ないヨーロッパでは乾燥から肌を守るためにもオイルは生活の必需品です。シンプルなボトルながらうっとりと高貴な香りが印象的な5種類のフラワーオイルでした。

このフラワーオイルに『インソーレ』というオリジナルネーム、そしてそれを新会社の名前にと考案してくださったのもこの女性社長です。私の恩人です。

インソーレオイルとの出会い
日本初上陸なるこのオイル。ラベルのデザインを考え、試行錯誤を繰り返してできあがったのが写真のラベルです。当時の白いプラスティックのボトルに曲がらないよう苦心して貼って出荷したのを昨日のことのように思い出します。

ボディ、フェイス両方に使えるオイル。とはいえ果たして日本の市場に受け入れられるのか。今から10年以上も前のお話です。

日本におけるオイル美容

ここ数年ようやく日常的に様々なシーンでオイルが使われるようになりましたが、当時オイルの需要はほぼアロマセラピーをサロンに取り入れるセラピストさんのキャリアオイルのみ。ドライフラワーを漬け込んで浸出させたこのフラワーオイルはとても珍しく、専門誌などでも取り上げて頂きましたが全く一般的ではありませんでした。

しかしながら、一度使うとそのきめの細かいテクスチャーや浸透の良さは忘れがたいもので、今日までほぼ11年毎月オイルをご注文頂くセラピストさんたちもいらっしゃいます。長いおつきあいになりました。

有機無農薬のイタリアアルプスの麓の村のガーデン、陽当たりの良い傾斜地の手入れの行き届いた肥沃な土壌に月の運行を見ながら種をまき、湧き水を効率よく撒いて、慈しみ育てた植物をそのエネルギーの一番高い時間に摘み取り天日で干しオイルに浸け込む。

インソーレオイルとの出会い

単純なようでも手間と時間のかかる作業を続けているからこそいつも一定の品質を保ち安心して受け入れられる製品が届く。本当に感謝してもしきれない11年の尊い歳月が当たり前のように流れました。

小さなボトルから溢れる太陽と月のエネルギーと作り手たちの愛がどんなときにも私を支えてくれていたような気がします。生産者と繋がり、その顔が見える商品。これはオーガニックの基本であり、私はここにとことんこだわりたいのです。

一滴のオイルが化粧水やシャンプーを見違えるように変えてくれるのです。イタリアのガーデンでボトリングしたオイルをそのままお届けできる幸せを誰よりも感じています。

“オーガニック”の意味を改めて問い直す

ヨーロッパの街の市場に溢れる活気と生き生きとした野菜や果物そして花々や酪農製品。足を踏み入れた時に感じる高揚感は昔も今も全く変わりません。有機無農薬の食品も一段と多くなりました。

Bio(ビオ)を選択する人々が増え続ける今、ヨーロッパではこの先有機土壌を増やしていくことが最大の課題になっています。国や市民団体が本気で取り組んでいます。日本でもファッション感覚なオーガニックやBioではない歩みの一歩を踏み出さなければ、と思います。

インソーレのオイルを、その生まれ故郷に思いを馳せながら是非生活の一部に取り入れて頂きたいのです。それが自然に還る一歩になります。

次回、それぞれのオイルの物語をお伝えしたいと思います。



インソーレオイルとの出会い

ABOUTこの記事をかいた人

阿部庸子

株式会社インソーレ代表取締役。イタリアのガーデンで慈しみ育てたハーブを使った「INSOLEフラワーオイル」「インソーレバーム」などを販売。ヨーロッパのBio(ビオ)やオーガニックの“今”を少しずつ発信しています。